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論文

ゼオライト粒子と接触したステンレス鋼の$$gamma$$線による腐食影響

加藤 千明; 山岸 功; 佐藤 智徳; 山本 正弘*

材料と環境, 70(12), p.441 - 447, 2021/12

ゼオライト粒子は福島第一原子力発電所(1F)の汚染水の浄化のためのセシウム吸着塔内で用いられている。使用後のセシウム吸着塔は敷地内で保管されているが、ステンレス鋼製胴部の局部腐食が懸念された。この腐食リスクに対し、$$gamma$$線による影響データを照射下電気化学試験装置で取得した。また、内溶液の変化状態を実規模サイズのモックアップ試験装置で検討した。それらの結果から、過酸化水素による電位の上昇がゼオライト粒子の存在で防ぐことができ、塩化物イオンの濃化もそれほど生じないことを明らかにし、局部腐食が相当に小さく抑えられることを示した。

論文

Online measurement of the atmosphere around geopolymers under gamma irradiation

Cantarel, V.; Lambertin, D.*; Labed, V.*; 山岸 功

Journal of Nuclear Science and Technology, 58(1), p.62 - 71, 2021/01

 被引用回数:4 パーセンタイル:35.51(Nuclear Science & Technology)

セメントに類似したジオポリマーを原子力分野で用いる場合に、多孔質なジオポリマーに含まれる水が放射線により分解されて発生する水素に留意する必要がある。原子力機構では、放射線による水素の発生と再結合、ジオポリマー中の水素の拡散を考慮したPRDモデルを開発してきた。本研究では、ジオポリマー試料を特殊な容器に封入し、Co-60ガンマ線で照射中の容器内ガスの水素および酸素濃度をオンライン分析した。ジオポリマーの孔を満たす水のアルカリ性が強いほど水素収量が少ない傾向が観察され、水素が再結合して水に戻る反応が顕著になることを確認した。照射中の酸素消費率は一定であり、この結果をPRDモデルから考察した。

報告書

燃料デブリ取り出しを容易にするゲル状充填材の開発(委託研究); 平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉国際共同研究センター; 大阪大学*

JAEA-Review 2019-029, 36 Pages, 2020/02

JAEA-Review-2019-029.pdf:2.33MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉国際共同研究センター(CLADS)では、平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度「燃料デブリ取り出しを容易にするゲル状充填材の開発」について取りまとめたものである。本研究は、デブリ取り出しの簡易化のため、粘度を調整した高分子・ケイ酸塩・粘土鉱物などのゲル状物質であれば、破損部から漏れ落ちることもなく周辺の空間線量率を低減し、また切削時に生じるダストの拡散・飛散を抑制できることから、格納容器内部をゲル状物質で充填することを提案する。

論文

On the hydrogen production of geopolymer wasteforms under irradiation

Cantarel, V.; 有阪 真; 山岸 功

Journal of the American Ceramic Society, 102(12), p.7553 - 7563, 2019/12

 被引用回数:8 パーセンタイル:29.81(Materials Science, Ceramics)

放射性廃棄物固化において、固化体からの水素発生は安全上の主要な懸念事項である。ジオポリマー材で固化する場合、材の多孔質構造中に多量の水が存在するため、水の放射線分解による水素発生が重要な因子となる。本研究では、ジオポリマー材単独またはゼオライト(模擬廃棄物)を含むジオポリマー固化体を、水飽和度と試料サイズを変えて$$^{60}$$Co $$gamma$$線で照射し、水素放出量を測定した。試料が塊状でサイズが大きく(円筒形40cm長)かつ水で飽和している場合(円筒形40cm長)の水素ガス放出量は1.9$$times$$10$$^{-10}$$ mol/Jであり、粉末試料の放出量2.2$$times$$10$$^{-8}$$ mol/Jよりも2桁小さかった。測定結果をジオポリマー中での水素の発生、再結合および拡散挙動を考慮したモデルにより解釈した。ジオポリマー中の拡散係数が既知であれば、モデルは水素放出量を水飽和度の関数として再現でき、試料サイズ40cmまでの放出量を予測できることがわかった。

論文

Development of remote sensing technique using radiation resistant optical fibers under high-radiation environment

伊藤 主税; 内藤 裕之; 石川 高史; 伊藤 敬輔; 若井田 育夫

JPS Conference Proceedings (Internet), 24, p.011038_1 - 011038_6, 2019/01

東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の原子炉圧力容器と格納容器の内部調査への適用を想定して、光ファイバーの耐放射線性を向上させた。原子炉圧力容器内の線量率として想定されている~1kGy/hレベルの放射線環境に適用できるよう、OH基を1000ppm含有した溶融石英コアとフッ素を4%含有した溶融石英クラッドからなるイメージ用光ファイバを開発し、光ファイバをリモートイメージング技術に応用することを試みた。イメージファイバの本数は先行研究時の2000本から実用レベルの22000本に増加させた。1MGyのガンマ線照射試験を行った結果、赤外線画像の透過率は照射による影響を受けず、視野範囲の空間分解能の変化も見られなかった。これらの結果、耐放射線性を向上させたイメージファイバを用いたプロービングシステムの適用性が確認できた。

論文

Rust and corrosion mechanism of carbon steel in dilute chloride solution at low dose rates

本岡 隆文

QST-M-8; QST Takasaki Annual Report 2016, P. 73, 2018/03

これまでに、Co-60$$gamma$$線照射下での人工海水中の炭素鋼の腐食試験では100Gy/h以上の吸収線量で腐食速度が向上し、サビの黒色から褐色に変化することを報告している。本研究では、Co-60$$gamma$$線線照射下での炭素鋼の腐食機構を錆の同定結果から検討した。$$gamma$$線は鉄イオンの二価から三価への酸化を促進するので、照射下で形成された錆は高い酸化状態とすることが明らかとなった。

論文

Effect of chloride ion on corrosion behavior of SUS316L-grade stainless steel in nitric acid solutions containing seawater components under $$gamma$$-ray irradiation

佐野 雄一; 安倍 弘; 竹内 正行; 飯嶋 静香; 内田 直樹

Journal of Nuclear Materials, 493, p.200 - 206, 2017/09

 被引用回数:7 パーセンタイル:56.89(Materials Science, Multidisciplinary)

福島第一原子力発電所事故に関連し、再処理に用いられる機器の代表的な材料であるSUS316Lについて、海水成分を含むHNO$$_{3}$$溶液中の腐食挙動に及ぼす塩化物イオンの影響を、$$gamma$$線照射条件下を含め、調査した。HNO$$_{3}$$と人工海水(ASW)の混合物を用いて電気化学試験及び浸漬試験を実施し、高濃度のASWを含むHNO$$_{3}$$溶液では、カソード電流密度が増加し、均一な腐食が進行することを確認した。これは、HNO$$_{3}$$とCl$$^{-}$$イオンとの反応で生成されるCl$$_{2}$$やNOCl等の強い酸化剤によって引き起こされたものと考えられる。腐食速度は、HNO$$_{3}$$濃度が低い条件では浸漬時間とともに減少し、高い条件では増加した。$$gamma$$線照射条件下では、上記酸化剤と放射線分解により生成したHNO$$_{2}$$との反応によるカソード反応の抑制により腐食速度が低下した。

報告書

Geopolymers and their potential applications in the nuclear waste management field; A Bibliographical study

Cantarel, V.; 本岡 隆文; 山岸 功

JAEA-Review 2017-014, 36 Pages, 2017/06

JAEA-Review-2017-014.pdf:3.37MB

十分な崩壊時間の後、水の除染に使用されたゼオライトは、最終的に長期保管のために処理される。ジオポリマーは、放射性セシウムおよびストロンチウム含有廃棄物の管理にあたり有望な固定基材と考えられている。このような用途のためには、バインダー構造、その巨視的性質、廃棄物との相互作用、および廃棄物形態で生じる物理化学的現象の正確な理解が、材料の健全性および安定性を判断する上で必要である。ジオポリマーは歴史の浅いバインダーであるが、この50年間に多くの研究が行われており、その特性とその用途の理解は急速に進んでいる。本レビューでは、ジオポリマーに関する研究から、ジオポリマー複合材料、核廃棄物固化材料、照射下のジオポリマーについて、実用的な情報を収集している。取集した情報は、今後の研究と実験のためのガイダンスとして活用する。

論文

Gas retention behavior of carbonate slurry under $$gamma$$-ray irradiation

本岡 隆文; 永石 隆二; 山岸 功

QST-M-2; QST Takasaki Annual Report 2015, P. 95, 2017/03

福島第一原発での汚染水処理で炭酸塩スラリーが発生し高性能容器(HIC)に保管されている。HIC上のたまり水発生原因を推察するため、高崎量子応用研究所のコバルト照射施設で模擬炭酸塩スラリーに実機HICよりも高吸収線量率で$$gamma$$線を照射した。炭酸塩濃度95g/Lのスラリーに$$gamma$$線を8.5kGy/h照射すると、水位上昇、スラリー内の気泡発生、上澄液の出現、ガス放出を観察した。本試験結果より、水位上昇の原因はスラリー内のガス蓄積による体積増加と推察された。HIC上のたまり水発生に、ガス蓄積によるスラリーの体積増加が示唆された。

論文

Effects of gamma-ray irradiation on spontaneous potential of stainless steel in zeolite-containing diluted artificial seawater

加藤 千明; 佐藤 智徳; 上野 文義; 山岸 功

Proceedings of 17th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems - Water Reactors, Vol.2, p.1357 - 1374, 2016/05

福島第一原子力発電所事故の汚染水処理で発生する廃ゼオライト吸着塔の腐食評価の基礎的検討として、$$gamma$$線照射下における人工海水を含んだゼオライト中のステンレス鋼(SUS316L)の電気化学試験を行った。ステンレス鋼の定常自然浸漬電位は$$gamma$$線照射により貴化し、吸収線量率の増加に従い定常自然浸漬電位が上昇した。この電位上昇は、主に放射線分解で生じるH$$_{2}$$O$$_{2}$$濃度の増加によるものであることを明らにした。一方、ゼオライト共存系では$$gamma$$線照射下の定常自然浸漬電位を低下させた。これは、ゼオライトによるH$$_{2}$$O$$_{2}$$濃度の低下によるものであり、ゼオライトの種類によりH$$_{2}$$O$$_{2}$$分解率が異なることを明らにした。$$gamma$$線照射下におけるステンレス鋼の電位上昇機構は放射線により生じるH$$_{2}$$O$$_{2}$$がステンレス鋼のカソード反応を活性化するためであり、ゼオライトはH$$_{2}$$O$$_{2}$$の生成を抑制するために電位が低下することを明らかにした。ステンレス鋼の局部腐食発生電位は、照射の有無、ゼオライトの種類や接触により大きく変化しないことから、ゼオライト共存は$$gamma$$線照射下において定常自然浸漬電位を低下させ、局部腐食発生リスクを低減できることが期待できることを明らにした。

論文

Corrosion of the stainless steel in the zeolite containing diluted artificial seawater under $$gamma$$-ray irradiation

加藤 千明; 佐藤 智徳; 中野 純一; 上野 文義; 山岸 功

Proceedings of 2014 Nuclear Plant Chemistry Conference (NPC 2014) (USB Flash Drive), 9 Pages, 2014/10

福島第一原子力発電所事故の水処理で発生する廃Cs吸着塔の長期保管の基礎的検討として、$$gamma$$線照射下における人工海水を含んだゼオライト中のステンレス鋼(SUS316L)の電気化学試験を行った。$$gamma$$線照射にはコバルト60線源を使用し、吸収線量を5kGy/hから400Gy/hに制御した。その結果、ステンレス鋼の孔食発生電位は$$gamma$$線照射の影響を受けないが、ステンレス鋼の定常自然浸漬電位は$$gamma$$線照射により貴化することが明らかとなった。この$$gamma$$線照射による定常自然浸漬電位の貴化はゼオライト共存により抑制された。廃Cs吸着塔のようなゼオライトが共存する環境は、$$gamma$$線照射におけるステンレス鋼の局部腐食発生リスクを低減できることが明らかとなった。

論文

Behavior of uranium-zirconium hydride fuel under reactivity initiated accident conditions

笹島 栄夫; 杉山 智之; 中村 武彦; 更田 豊志; 上塚 寛

Proceedings of 7th International Topical Meeting on Research Reactor Fuel Management (ENS RRFM2003), p.109 - 113, 2003/03

TRIGA炉燃料として世界的に使用されているウラン水素化物ジルコニウム燃料(U-ZrHx)について、事故条件下での燃料挙動データを得ることを目的とし、NSRR実験を行った。これまでに5回のパルス実験をピーク燃料エンタルピ187$$sim$$483J/gの範囲で実施した。483J/gの実験で被覆管表面最高温度は約840Kに達した。被覆管表面温度は、パルス出力とともに急激に高くなり、187J/g以上の実験でDNBが生じた。DNBは、UO$$_{2}$$燃料棒を用いたNSRR実験と比べ、より低い燃料エンタルピで生じていた。燃料棒内圧は最高1MPaまで上昇した。これは、燃料から解離した水素の放出を示唆している。予備解析によると、480J/gの燃料エンタルピで、平均温度は約1300Kであり、過渡加熱条件での水素の解離圧は平衡圧に比べ十分小さい結果となった。U-ZrHx燃料ではペレットと被覆管のギャップが小さいため、比較的低いエンタルピからペレット/被覆管機械的相互作用による被覆管変形が生じ、過渡変形が最高約3%に達した。試験燃料棒は、これまでの実験範囲では破損は生じず、また337J/g以下の実験では、燃料溶融及びマイクロクラックの発生等の燃料ペレットミクロ組織の変化は観察されていない。

論文

Development of radiation-proof robot

岡 潔; 柴沼 清

Advanced Robotics, 16(6), p.493 - 496, 2002/12

 被引用回数:8 パーセンタイル:39.11(Robotics)

原研では、原子力事故時に極限環境下(特に高放射線)において、人間の代わりに情報収集や軽作業を行うロボットの開発を行っている。本件は、事故の拡大防止及び停止活動を行うための軽作業にかかわる作業を行うことを目的とした災害停止対策用耐放射線ロボット(Radiation-proof Robot)を製作し基礎性能試験を行ったので結果を報告するものである。ロボットは基本性能を確認するために走行機能試験及び遠隔操作試験を実施した。走行試験においては、前後左右方向の速度,再現性,操作性,動作時間を測定するとともに、30度の階段昇降が可能であることを確認した。また、遠隔操作試験においては、ドアの鍵あけ,ドアの開閉,バルブ開閉作業が正常に行えることを確認するとともに、各種の部品交換試験(エンドエフェクタ,カメラ,通信装置,制御装置等)を行い、交換時間,交換性を確認した。

論文

Rock-like oxide fuels and their burning in LWRs

山下 利之; 蔵本 賢一; 秋江 拓志; 中野 佳洋; 白数 訓子; 中村 武彦; 草ヶ谷 和幸*; 大道 敏彦*

Journal of Nuclear Science and Technology, 39(8), p.865 - 871, 2002/08

 被引用回数:25 パーセンタイル:81.52(Nuclear Science & Technology)

余剰プルトニウムの効率的な利用と廃棄のための新しいオプションを提案するため、岩石型プルトニウム燃料とその軽水炉中での燃焼技術に関する研究を行った。岩石型燃料はイナートマトリクス燃料の一種で、安定化ジルコニア,スピネルやコランダムなどの鉱物類似化合物から構成される。重核分裂片による照射損傷を軽減するため、粒子分散型燃料を考案した。照射試験により、スエリング,ガス放出,微細組織変化に関する知見が得られた。岩石型プルトニウム燃料装荷炉心が有する本来的な短所は、ウランやトリウムなどの共鳴物質を添加することで改善され、改善炉心の過渡時における特性は通常の軽水炉炉心と同等となった。反応度事故条件下における岩石型燃料棒の破損しきい値は軽水炉燃料と同等であることが、パルス照射試験により確認された。

論文

Behavior of high-burnup PWR fuels with low-tin zircaloy-4 cladding under reactivity-initiated-accident conditions

更田 豊志; 笹島 栄夫; 杉山 智之

Nuclear Technology, 133(1), p.50 - 62, 2001/01

 被引用回数:67 パーセンタイル:96.81(Nuclear Science & Technology)

高燃焼度PWR燃料の反応度事故時挙動について、NSRR実験の最新の成果を報告する。これまでにNSRR実験では、水素吸収によって外周部の延性が低下した被覆管と燃料ペレットとの機械的な相互作用による高燃焼度PWR燃料の破損が、低い燃料エンタルピレベルで生ずることを示した。今回新たに、耐食性を向上させた低スズジルカロイ4被覆管を備えた高燃焼度PWR燃料の実験においても、同様の破損が生じることを示した。さらに、微粒子化した燃料の冷却材中への放出と機械的エネルギーの発生とを確認し、機械的エネルギーを定量化した。これらの結果をふまえて、被覆管外周部延性低下の影響を受けたPCMI(ペレット/被覆管機械的相互作用)破損、燃料微粒子化と機械的エネルギー発生、FPガス放出等、反応度事故条件下における高燃焼度燃料の挙動について論じる。

論文

The Status of the RIA test program in the NSRR

更田 豊志; 中村 武彦; 石島 清見

NUREG/CP-0162, 2, p.179 - 198, 1998/00

NSRRにおいて実施している高燃焼度燃料実験について、最新の成果を報告する。部分体先行照射燃料を対象としたPWR燃料実験に加えて、耐食性を向上させた低スズジルカロイ4被覆管を使用したPWR燃料を対象とした最新の実験においても、被覆管外面腐食がより進んだ上部から採取した試験燃料において破損を生じた。水素吸収に伴う被覆管強度の低下に加えて、急速なFPガス放出が被覆管に対する強い負荷となって、破損しきい値の低下を招いている可能性が高い。機械的エネルギの発生においても、FPガス放出が強く影響していることが示唆された。また、BWR燃料実験についても併せて報告する。

論文

NSRR pulse irradiation experiments and tube burst tests

更田 豊志; 永瀬 文久; 中村 武彦; 上塚 寛; 石島 清見

NUREG/CP-0166, 3, p.223 - 241, 1998/00

高燃焼度軽水炉燃料を対象とするNSRR実験及び炉外分離効果試験について、最近の成果を報告する。PWR燃料実験では、耐食性を向上させた低スズジルカロイ4被覆管を使用した燃料の実験においても、被覆管外面腐植がより進んだ上部から採取した試験燃料において破損を生じており、さらに機械的エネルギーの発生と微粒子化した燃料の冷却水中への放出を確認した。一方、BWR燃料実験においては燃焼度45MWd/kgU、ピーク燃料エンタルピ約150cal/gまでの範囲で破損は生じていない。また、高燃焼度PWR燃料の破損要因となっている燃料ペレット/被覆管機械的相互作用に対する、被覆管水素吸収量及び水素化物偏在の効果を定量化するために実施した水素吸収被覆管の高速バースト試験の結果を報告する。

論文

Fission gas induced cladding deformation of LWR fuel rods under reactivity initiated accident conditions

中村 武彦; 笹島 栄夫; 更田 豊志; 石島 清見

Journal of Nuclear Science and Technology, 33(12), p.924 - 935, 1996/12

 被引用回数:11 パーセンタイル:68.15(Nuclear Science & Technology)

原子炉安全性研究炉(NSRR)では燃焼の進んだ軽水炉燃料の反応度事故時挙動を調べるパルス照射実験を実施している。同実験では、未照射燃料での実験結果に比べて非常に大きい被覆管の周方向変形が観測され、最大約10%に達した。燃料ペレットの熱膨張のみを考慮する現状の軽水炉燃料挙動解析コードでは、この変形を1%以下に過小評価する。また、これらの実験では核分裂ガスの放出も最大22%に達した。これらの実験結果を記述するため、結晶粒界に蓄積された核分裂ガスがパルス照射により加圧され、結晶粒界割れを起こし、被覆管を変形させるモデルを開発し、燃料挙動解析コードFRAP-T6に導入した。結晶粒界割れを生じさせたFPガスは、実験初期には燃料内に留り被覆管の変形を生じさせ、その後放出されるものとした。この変形モデルは、未照射燃料の熱膨張モデルとして検証されたGAPCONモデルと併用することにより、照射済燃料を用いたENSRR実験結果を良く再現した。

論文

Experimental study on the fuel behavior during reactivity accident at power operation condition

片西 昌司; 石島 清見

Journal of Nuclear Science and Technology, 32(11), p.1098 - 1107, 1995/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:28.12(Nuclear Science & Technology)

原研のNSRRでは、ゼロ出力からの出力暴走を模擬する実験により、反応度事故時の燃料挙動の解明を進めてきた。それに対して出力運転状態からの反応度事故の場合、定常運転中に形成される燃料棒内の径方向温度がゼロ出力の場合と異なるため、照射済燃料におけるPCMI破損に対する影響が考えられる。また、これは未照射燃料の場合にも被覆管の温度に関係することから、破損しきい値等に影響を与える可能性が考えられる。これらを実験的に調べるために、出力状態からの反応度事故模擬実験を行えるようにNSRR制御系の改造を行った。第1段階として、未照射燃料を用いた実験を行った結果、破損しきい値に対する初期状態の影響は認められなかった。また、将来の照射済燃料を用いた実験に向けて、燃料エンタルピ評価の手法について、実験結果をもとに検討を行った。

論文

研究炉燃料の開発状況

柳澤 和章; 宇賀神 光弘; 桜井 文雄*

核燃料工学; 現状と展望, p.285 - 304, 1993/11

日本原子力学会「極限燃料技術」研究専門委員会は、平成元年度から4年度までの調査研究活動を「核燃料工学-現状と展望-」にとりまとめた。この報告書中の第7章は、「研究炉燃料の開発状況」であり、その内容は、7.1高ウラン密度燃料の開発(桜井),7.2燃料の特性と製造(宇賀神、柳澤),7.3照射下ふるまい(宇賀神、桜井、柳澤)となっており、発表者らが共著でとりまとめた。この章に於いては、我が国のデータのみならず欧・米における研究炉燃料の開発状況が、実験的知見に基づいて平易に記述されている。また取扱いの事象も通常運転から事故と多岐に亘っている。

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